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2024.04.17

【インタビュー】「好き」をきっかけにひととひとの心がつながる

BROADMOORで個展「たゆたう」を公開中のディレクター、西村美咲さん。月に1回バーで、本格的なお酒を飲みながらアクリル絵具で絵を描くワークショップの運営や、自身でもシンガーとして精力的に活動している彼女の原動力やこれからのビジョンについてお話を聞いてみました。

今回の展覧会のテーマを教えてください。

「たゆたう」です。ゆらゆらと揺れ動いて定まらない状態を意味するのですが、それは決して悪いわけではないと思っていて。選び、切り捨てることを迫られたり、わかりやすいものばかりで評価される局面でも、自分が大切にしてきたものを曖昧でいいから守っていてほしい。そんな思いを込めました。

その構想はどこからインスピレーションをうけましたか?

BROADMOORさんのコンセプト、「自分自身で考えていく“土台”を養う場所」というのをお聞きしたときに、思考の土台をつくるものってなんだろうと考えたんです。それは、遠回りしたからこそ惹き寄せられたもの、流れに身をまかせて気づかぬうちに自分の一部になっていったものなんじゃないか。わたしの思う思考の土台を表現しようと、今回のテーマにしました。

展示「たゆたう」はこちら

自身でもシンガーとして表現活動をしている美咲さんにとってアートってどんな存在ですか?

視覚だけでこんなにも人の心を動かすなんて本当に凄いことだし、わたしには到底真似が出来ないなといつも思います。なので表現のひとつであったとしても、アートは純粋に受け取る側として楽しんでいる側面が大きいです。同じ絵でも、そのときの自分の状態によって見え方が変わるので、寄り添ってくれることも背中を押してくれることもあります。好きな絵は、ありのままの自分を受容し導いてくれる味方なので、生きるうえで欠かせないものです。

アートに興味ないなぁ、なんだか難しそうと思っている人におすすめの鑑賞法や考え方はありますか?

とにかく自由に、自分で感じること。それだけでいいと思っています。難しいと感じてしまうのは、正解があると思い込んでいるから。自分が感じたことが正解、で良いんです。ただなんとなく綺麗な色だな、この形に惹かれるな、でも良い。もちろん時代背景や文脈ありきの作品もあって、特に現代アートはそれが主流だし、作家の方によってはこんなふうにみてほしいというものがある場合もあるので、あまり偉そうなことは言えないですが…!笑

誰でもアートを楽しめるワークショップの企画運営をされていると聞きました!具体的にどんな活動なのでしょうか?

月に1回バーで、本格的なお酒を飲みながらアクリル絵具で絵を描くワークショップを運営しています。有名な絵画の模写や抽象画などテーマは様々ですが、リラックスして創作を楽しんでもらえたら嬉しいです。上手く描くことが目的ではないので、普段絵を描かない方にこそぜひ参加してほしいイベントになっています。自分自身で描いてみることによって、鑑賞するときの感じ方もまた変わってくるのが面白いんです。

パワフルにいろんなことにチャレンジできる原動力やモチベーションって何ですか?

好きなことを堂々と好きと言えたり、それを続けていくひとがひとりでも多くいてほしいと切に願う気持ちがいちばんの原動力です。それはわたし自身が勇気を持てず隠して生きてきた過去や、仕事をする中で好きなことを続けられずに苦しんでいる方に多く出会ってきたことがあり、行き着いたビジョンです。自分自身がそんな生き方を体現しながら、周囲にそっときっかけを仕掛けていきたいです。そして、この気持ちを絶やさずに動き続けられるのは、いつも味方でいて応援してくれる大切な方々がいるからに他なりません。いつもありがとうございます!!!

これからのビジョンややってみたいことがあれば教えてください。

「好き」をきっかけにひととひとの心がつながる場づくりを続けていきます。今はアートと音楽。と、自分の身近な分野のみですが、食やファッションなど枠に捉われずに掛け算をしていきたいです!カオスなのに不思議と調和している空間をつくりだすディレクターになり、全国各地で活動をするのが夢です!

< PROFILE >

西村美咲
Art Studio NEAFというアートチームで、ギャラリーでの展示のキュレーションやお酒を飲みながら誰でもアートを楽しめるワークショップの企画運営を行っています。また音楽の分野では、大阪と東京を拠点にカフェバーでアコースティックギターでの弾き語りライブをしています。「好き」をきっかけにひととひとの心がつながる場をつくり続けます。

EDIT=BROADMOOR編集部 

SPECIAL THANKS=西村美咲

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