誰かの次の挑戦への一歩に。
スポーツや部活を通じて、前向きに生きるための力を感じてほしい、そんなページです。毎回1人の人物にスポットを当て、その人の魅力・素顔に迫ります。
今回は、2024年10月にプロライセンスを取得し、ダーツの世界で挑戦を続けるカツキさんのお話を聞きました。

「思い立ったが吉日。」
カツキさんが大切にしている言葉です。
2024年10月、プロライセンスを取得。今はダーツの世界で、その先を目指しています。
でも、最初からプロを目指していたわけではありません。
小・中学校では野球、高校ではハンドボール。野球ではファースト、ハンドボールではセンターを担当していました。
高校時代は部活動だけでなく、体育祭の本部役員にも参加。きっかけは周囲からの誘いでしたが、自分たちで企画し、何かをつくっていく時間がだんだん面白くなっていったといいます。
大学卒業後は新卒で東京へ。社会人1年目の時にダーツに出会います。
その後、ドイツへの出向を経験し、地元大阪へ戻ってきました。



はじまりは、ただの趣味でした。
最初は、あくまで趣味。
けれど投げ続けているうちに、「もっと上手くなりたい」「もっと強くなりたい」という気持ちが少しずつ大きくなっていきました。
楽しいからやる。
そこから、強くなりたいからやる、へ。
いつの間にか、ダーツとの向き合い方が変わっていました。
そして実技と筆記の試験を経て、プロライセンスを取得します。
ダーツには、大きく分けてソフトダーツとハードダーツがあります。国内だけでなく、その先には海外へとつながる舞台もあります。
趣味で始めた頃には、きっとまだ見えていなかった景色です。

たった3投。だから、面白い。
ダーツは、一度に3本の矢を投げます。
その3投に、どれだけ自分の力を乗せられるか。
カツキさんが練習で意識しているのは、考えなくても身体が自然に動く状態をつくることです。
ただ、人の身体は毎日少しずつ違います。
まずは何も考えずに投げてみる。
「あ、今日はここが詰まっているな」
「いつもより少し身体が傾いているな」
そんな小さな違和感を拾いながら、その日の身体に合わせて微調整していきます。
知り合いの整体師にも相談し、肩甲骨の柔軟性を高めるなど、身体のコンディショニングにも気を配っています。
ダーツというと、狙って投げるシンプルな競技にも見えます。
でも、その一本の裏側には、意外なほど細かな身体との対話があります。

強い人を見ると、ワクワクする。
尊敬している選手は、日本人プロダーツプレイヤーの畦元隆成選手。
初めて会ったのは、ドイツ・フランクフルトで開催された「2025 World Cup of Darts」のときでした。
惹かれたのは、強さだけではありませんでした。
人前で見せるキャラクターの裏側で、真面目に、ストイックに努力を続けている。その姿勢が格好いいと感じたそうです。
自分より強い人を見たら、普通は少しくらい萎縮してしまいそうなもの
でも、カツキさんは違います。
「もっと上に行きたい」
むしろ、ワクワクするのだといいます。
それはダーツだけではありません。
何かに向かって努力している人。今より少しでも上へ行こうとしている人。そんな人たちに自然と惹かれるそうです。

「どうせ無理」が、少しずつ消えていった。
今でこそプロとして挑戦を続けていますが、以前から何にでも飛び込めるタイプだったわけではありません。
何かに挑戦しようとしても、
「どうせ無理かもしれない」
そんなふうに、どこか諦め半分で考えてしまうことがありました。
その感覚を変えたのが、ダーツでした。
本気で練習して、試験を受けて、プロライセンスを取る。
ひとつの挑戦を自分の力で形にしたことで、「自分も挑戦していい」と思えるようになりました。
ダーツを始めて得たもの。
もちろん、技術もそのひとつです。
でも、それ以上に大きかったのは、“挑戦できる自分”に出会えたことなのかもしれません。
だからこそ、大切にしているのが、
「思い立ったが吉日」
という言葉です。
やりたいと思ったなら、そのときにやる。
「あのときやっていれば」と思うくらいなら、まず動いてみる。
シンプルですが、今のカツキさんにはよく似合う言葉です。

技術があって、ユーモアもある人に。
これからの目標を聞くと、まず返ってきたのは、
「ダーツだけで生活できるようになりたい」
という言葉でした。
ダーツは、年齢を重ねても挑戦できる競技です。世界には長く第一線で活躍する選手がいて、その先には海外の大きな大会もあります。
オランダ、ベルギー、イギリス、フランスなど、これまでさまざまな国を訪れてきたカツキさん。見ている景色は、日本だけではありません。
そして、もうひとつ。
「技術があって、ユーモアもある人になりたい」
ただ強いだけではなく、自分自身の魅力も伝えられる人になる。
応援してくれる人を増やしていくことも、プロとして必要な力だと考えています。
23歳の頃、趣味で始めたダーツ。
あのとき「やってみよう」と思わなければ、プロになった今の自分はいなかったかもしれません。
そう考えると、「思い立ったが吉日」という言葉にも、少し違った重みが出てきます。
さて、次はどんな景色を見せてくれるのでしょう。
カツキさんの3本のダーツは、まだその途中です。
EDIT=BROADMOOR編集部
SPECIAL THANKS=KATSUKI
